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25卒学生が選んだ就職人気企業が実施する
学生から支持を集める採用活動

採用競争が激化する新卒市場に反し、学生の就職活動への取り組みは、タイパを意識し縮小傾向にあります。
企業にとっては、今まで以上に学生との接点機会を創出する主体的な採用活動が求められるようになりました。

また学生に選ばれるためには、ただ接点を持つだけではなく、興味喚起や深部にまで及ぶ魅力付け、企業理解を促す取り組みなど、学生に納得感を与える活動も必須になりつつあると言えるでしょう。
 
今回は、産経新聞社とワークス・ジャパンが行った『25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング』で上位に位置した企業のうち、文系部門から「伊藤忠商事株式会社」、理系部門からは「パナソニックグループ」をゲストにお招きして、【WORKS REVIEW】を実施。

多くの学生から支持を集める各社の採用活動をレビューします!

 

 INDEX 

25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング
- 就職人気企業ランキング結果/文系総合
- 就職人気企業ランキング結果/理系総合

25卒学生が選んだ就職人気企業が実施する、学生から支持を集める採用活動【WORKS REVIEW 実施内容
- 各社の採用概要
- 25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング 結果の所感
- 各社の採用部門の体制
- 各社のリクルーターの体制
- 25卒採用で取り組んだ施策
- 26年度採用に向けた戦略イメージ
- 最後に

学生から支持を集める企業の取り組み 詳しい内容は「アーカイブ配信」で!

 
 
 

25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング


 
産経新聞社とワークス・ジャパンは、2023年4月17日~11月30日にかけて2025年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生を対象に、就職希望先調査を実施しました。

 

就職人気企業ランキング結果/文系総合

文系総合のランキングでは、総合商社に人気が集まりました。

中でも伊藤忠商事株式会社は、昨年から引き続き文系総合ランキング1位を獲得しています。
『Instagramを通じたSNS採用の深化』『OBOG面談・インターンシップの拡充』など、エントリーから内定までの導線作りや機会損失の低減、解像度の高い情報発信を意識し、採用活動をブラッシュアップさせてきた取り組みが学生から支持を集める要因になったと言えるでしょう。

 

就職人気企業ランキング結果/理系総合

理系総合のランキングにおいては、「メーカー」「IT・ソフトウェア」が上位を占める結果となりました。中でも様々な現場社員との交流機会を設け、仕事の具体的訴求を図った企業が支持を集めています。

企業理解から興味喚起に繋がり、さらには透明性の高い情報提供を通じて信頼や入社意欲が醸成されている学生の心情の移り変わりも見て取れます。

 

総括

『25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング』では、「やりたい仕事に就けるか」「入社後に自身のスキルアップが図れるか」といった学生の不安払拭に応える情報発信・提供に努める企業や配属の透明性を謳う企業が上位にランクインする結果に。

対面回帰が進んだ25卒採用や対面ニーズがより一層高まると予想される26卒採用においては、現場社員との座談会や現場受け入れ型インターンシップなど、より密度の濃い情報発信が求められるでしょう。加えて、入社後の仕事内容やキャリアを解像度高く理解してもらう工夫も必要になってくると考えられます。

 

上記内容を掲載している、企業の24卒採用活動の振り返り資料の詳細はこちらからご覧ください。
≫ 「産経新聞社×ワークス・ジャパン 25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング」 詳細ページ

 

 

◆ WORKS REVIEW 実施内容


 
「25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング」では、学生が必要視している情報を求められるタイミングで透明度高く伝えられるよう工夫を凝らしている企業が選ばれていました。
本結果を受け、どのような採用活動が学生の興味を惹きつけるのかより具体的に知りたいと思う人事担当者も少なくないでしょう。

今回は、文系総合1位を獲得した「伊藤忠商事株式会社」と理系総合5位にランクインした「パナソニックグループ」の新卒採用ご担当者様をお招きし、WORKS REVIEWを実施。
本ランキング結果の所感を伺うと共に、25卒採用における具体的な施策やブラッシュアップした点、さらに26卒採用に向けた取り組みについてご紹介いただきました。

※出演者情報はセミナー開催時点(2024年2月7日)のものです。

出演者

市川 丈陽 氏

伊藤忠商事株式会社
人事・総務部
採用・人材マネジメント室 

市川 丈陽 氏

2021年伊藤忠商事株式会社に新卒入社し、1年目は内定者フォロー・インターンシップ主担当を務める。2年目は2024年卒新卒採用のPRツールや新入社員配属、キャリア採用新規施策を担当・推進。
3年目となる現在は、2025年卒新卒採用統括を担う。

櫻井 修治 氏

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
リクルート&キャリアクリエイトセンター 採用部
タレントエクスペリエンスデザイン二課 課長

櫻井 修治 氏

大手メーカー、パナソニック関連会社、ベンチャー企業にて中小企業の採用支援業務に携わる。2019年1月にパナソニック入社し、現在は、「パナソニックグループ9社」の技術系採用の企画・運営を担当。

各社の採用概要


 

>伊藤忠商事株式会社


・採用人数 総合職:100~120名/事務職:15名
・インターンシップ/ワークショップ実施概要
《5days(対面)》
12月~2月開催
内容:伊藤忠商事のビジネスの本質を学び、自身の成長とこれからのキャリアを考える
《1day(オンライン)》
2月開催
内容:グループワーク+座談会
11月頃までは各セミナーに登壇することを中心に認知を広げる活動を行っている
 

>パナソニックグループ


グループ9社での採用
・採用人数 技術系700名/事務系300名/クリエイティブ系10名
・インターンシップ/ワークショップ実施概要
「1,000程度のテーマで開催」
《OJTインターンシップ》
1~2週間:実際に職場に入り込んで社員と一緒に動く(対面)
《CREATIVE OJTインターンシップ》
1週間:クリエイティブ、デザイン職の仕事を体感する(対面)
《BUSINESS WORKSHOP》
2日間:パナソニックグループの「デザイン経営」を学ぶ(オンライン)

25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング 結果の所感


伊藤忠商事<br>市川 伊藤忠商事
市川
非常に多くの学生にご支持を頂けた結果においては、率直に嬉しいと感じています。

株主総会でも本ランキングの結果を周知させて頂きましたが、会社の非財務的な価値が求められる昨今において、大きな反響を得られたと思っています。

さらに1位という結果に対しては、社員からも反応があり、声をかけてもらえる機会もあります。特に当社はBtoC産業が多いこともあり、「マーケティングの面でも非常に喜ばしい結果だ」という社内からの反応もありました。
パナソニック<br>櫻井 パナソニック
櫻井
昨年より順位が上昇し理系5位にランクインできたことは、理系採用担当として非常に喜ばしい結果です。
また当社では、新卒採用に取り組むにあたり多くのリクルーターが活躍してくれています。やはり「自社のランキング順位が上昇している」「学生から評価されている」といった目に見える結果は、リクルーターの帰属意識やエンゲージメントにも繋がると思いますね。

ただ、私達としては学生が腹落ちして納得し、入社することが一番大事であると考えています。ランキングの順位だけに注目するのではなく、私達がしっかと学生に訴求できた結果の表れでなければならないとも捉えています。

各社の採用部門の体制


伊藤忠商事<br>市川 伊藤忠商事
市川
新卒採用に取り組むチームは3名の担当者に加え、業務をサポートしてくれる事務職社員が数名在籍する組織です。

またOBOG訪問には若手から中堅の社員、インターンシップや選考の面接官としてマネジメントクラスの社員に協力頂いています。
パナソニック<br>櫻井 パナソニック
櫻井
グループ採用の中枢となる本社採用部には40名ほどのメンバーがおり、グループ全体の採用管理・採用活動を推進しています。さらに各社の事業特徴や魅力をしっかり学生に訴求できるよう、事業会社ごとにも採用担当者が在籍しています。

さらにパナソニックグループとして活動するリクルーターが700名ほどおり、各事業会社のリクルーターと合わせると1000名を超える社員が採用に関わっています。

各社のリクルーターの体制


伊藤忠商事<br>市川 伊藤忠商事
市川
当社では、リクルーター活動を業務評価に結びつけることはしていません。またインセンティブも設けておらず、OBOG訪問の際に発生する食事代・交通費などを会社が負担する程度です。

今はOBOG訪問のようにスポット的な活動が中心になっているため、採用への協力意識が薄くなっている点は否めないかなと。とは言え、リクルーターをアサインする際の風土の調整には非常に興味があり、良い点は取り入れ会社全体で採用に取り組む風土を醸成していきたいと考えています。

その点、多くのリクルーターが活動されているパナソニックグループ様は、リクルーターメンバーをどのように決めているのでしょうか?
パナソニック<br>櫻井 パナソニック
櫻井
当社では採用部がメンバーを選定の上、現場の上長にアサイン依頼をしています。
中にはリクルーター活動への理解が醸成されている現場もあり、上長から「勉強のために行ってこい」と背中を押してくださるケースもあります。ただ、まだ全ての部署で風土の調整ができているわけではないため、今後はどの部署においてもポジティブにアサインされる状態を目指していきたいですね。
最終的に職場から「リクルーターになったらいいじゃん!」と自然と思ってもらえるような風土や土壌を形成できれば1番ベストかなと。

リクルーターも「就職活動の時にお世話になったから」という動機のもと「後輩にも同じサポートを提供してあげたい」という思いを持ち、活動に尽力してくれています。
そんなリクルーターの頑張りに報いたい想いもあり、活動評価を目標管理等の項目に組み込むようにしています。

25卒採用で取り組んだ施策


伊藤忠商事<br>市川 伊藤忠商事
市川
当社では、3つの施策に注力しました。

まず1つ目は、学生が動き出し始める7月~9月頃に合わせて外部セミナーや就職活動イベントに登壇したこと。インターンシップへの集客に向け、学生認知を高める活動を実施しました。

また2つ目の施策は、1人の社員に複数名の学生をマッチングさせる『グループOBOG』を新たに始めたこと。これまではせっかくセミナー等で興味を持って頂いたのに、人数の兼合いで「現場社員の話を聞く」といった次のステップに繋げられていないケースが多々ありました。
本施策の実施により、昨年よりも1000名ほど多くの学生をセミナーでの認知から現場社員を通じた興味喚起へと繋げられました。インターシップのエントリー数も前年比を上回り、施策の成果は一定表れていると感じています。

3つ目は、以前よりも一層Instagramを活用した情報発信に努めている点。
学生の動向分析したところ、メールを見ていない・見逃している学生が多いんですよね。私達としても学生としても機会損失になっているため、まずは学生が常日頃触れるようなツールを活用するなど、情報が自然と目に入ってくる環境を作る必要があると感じました。
また当社は採用担当者の人数が少ないため、対面接点を築くには限界があります。そこでInstagramを通じて社員の生の声をインタビュー形式等で発信し、透明性や情報量の充足を図っています。
パナソニック<br>櫻井 パナソニック
櫻井
パナソニックグループは“日本最大規模のインターンシップ”を謳っていることもあり、募集も5月頃から始まります。またこれだけのテーマを構えるのであれば、やはり色々な学生にご参加頂きたいため、外部イベントへの出展や説明会も積極的に実施していますね。
特にその中でも、『誰かの幸せのために、まっすぐはたらく。』という採用スローガンの訴求を徹底しています。グループ全体の入り口を一貫して大きく構え、興味・関心持ってインターンシップに参加してもらうことで、各事業会社についてもしっかり理解を深めてもらえるのではないかと考えています。

しかし一方で、インターンシップ受け入れにはやはり限界があります。
25卒採用では双方の機会損失をなるべく低減できるよう、インターンシップに参加できなかった学生にはインターンシップ以外の機会提供も意識的に努めてきました。

26年度採用に向けた戦略イメージ


パナソニック<br>櫻井 パナソニック
櫻井
26卒採用においても、まずはパナソニックグループとしての採用スローガンを一貫訴求しながらインターンシップ拡充を図っていきたいと考えています。
ただ最終的には各事業会社がそれぞれ学生からの認知を獲得し、「その会社に応募したい」と思ってもらえるような組織を目指していきたいですね。

またインターンシップに参加できなかった学生の中には、学業や研究、部活動など学生生活を頑張ってきた方もたくさんいます。そんな学生に対しても門戸をしっかりと広げてあげられるような環境を整えていきたいと思っています。
伊藤忠商事<br>市川 伊藤忠商事
市川
25卒採用は、インターンシップの開催を2回から3回に増やしました。
本音を言えば、パナソニックグループ様のようにもっと多くの回数を実施し、受け入れの拡充を図っていきたいですね。

さらにこれまで定期作業に寄りがちになっていた採用環境から、それぞれの学生が学業や部活動に専念しつつも、インターンシップや選考を受けやすい時期に受けられるような通年化に近い環境も作っていきたいですね。

また今までは伊藤忠商事単体のブランディングでしたが、今後はグループとして互いの母集団の拡充を図れるような体制も目指したいと考えています。

学生から支持を集める企業の取り組み
詳しい内容は「アーカイブ配信」で!



<その他、こんなこともお話しています!>
  ◆ 採用活動においてSNSを活用する際に意識しておきたいポイントは?
  ◆ インターンシップの際、学生に対しどこまでフィールドバックをしている?
  ◆ 形骸化する学校推薦をどう変えていく? 等

当日お話しいただいたWORKS REVIEWの動画をアーカイブで配信しています。
ターゲット学生を獲得するためのヒントを得られるはずです!ぜひご視聴ください。

 【アーカイブ配信対象】

 収録日: 2024/2/7
 テーマ: 25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング結果発表から紐解く『学生から支持を集める企業の取り組み』

  ≫≫  アーカイブ視聴はこちらから