採用活動
出演者
就職アドバイザー
髙梨 竜 氏
2022年卒業予定学生
学生Aさん
大学3年生の6月頃からインターンシップに参加。
2022年卒業予定学生
学生Bさん
大学3年生の8月頃からインターンシップに参加。
株式会社ワークス・ジャパン
コミュニケーションデザイン事業部
プロモーション部 PR2課
佐伯 茜
アンケート結果からみる、コロナ禍の就活
- 佐伯
- 今回はインターンシップ後、どういうフォローをしたらいいのかというところに特化してトークセッションを行ってまいります。髙梨様、本日はよろしくお願いします。
- 髙梨
- はい、よろしくお願いします。
- 佐伯
-
まず、ワークス・ジャパンが6月に企業様と22卒の学生に調査を取りましたので、そちらのレビューからはじめさせていただきます。
はじめに、企業様にご回答いただきました結果をご覧いただきます。
22卒の夏インターンシップについては、多くの企業様から「インターンシップの数を増やした」、「インターンシップに参加した学生の数が増えた」という回答をいただいております。「オンラインでのインターンシップを行う上で実施された具体的な工夫」という設問では、やはり「一方通行ではなく双方向(のコミュニケーション)を意識」したという声が多く集まりました。
今回の大テーマでもある、「インターンシップ後のフォロー施策」の有無については、「フォロー施策あり」という回答が7割でした。また、どういったフォローを行なったのかという問いについては、169社のうち100社にご回答いただきました。「社内イベントの実施」が73社ですが、特にご注目いただきたいところとして赤字にしましたが「選考関連の優遇」を行なったのが20社。ご回答いただいたうち5社に1社は「選考関連について優遇をしている」という結果が出てまいりました。
選考参加者の数については「前年より増えた」という回答が半分、「変わらない」という回答は3割ということで、インターンに参加した学生はほとんど選考にも参加してくれたのではと思われます。
一方で、選考辞退の数は、「変わらない」という回答及び「前年より高くなった」という回答が共に3割強。また、内々定辞退率に関しては、「前年より高くなった」という回答が35%で、「変わらない」よりも多いため、選考辞退、内定辞退が22卒は非常に多かったのではというふうに見て取れます。
- 佐伯
-
続いて、学生のアンケートに移ります。キャンパスキャリアに登録している学生961名に回答いただきました。
「インターンシップに参加したことがありますか? 」という回答には88%が「ある」で、もうほとんどの学生がインターンシップに参加しているという結果です。また、参加した社数についても、「10社以上の参加」が35%と、前年度の調査よりも増えていて、たくさんのインターンシップに参加した学生が多くなっています。
- 佐伯
- 気になるところでは「インターンシップ参加後の企業からのアクションで最も良かったものは何か?」については、「早期選考への招待」が「48%」と、ほぼ半分の学生が回答しています。つまり、「インターンシップに参加したら早期選考もセットで付いてくる」ということを期待している学生が多いのではと思われます。
- 佐伯
-
最後に、入社予定先企業を決めた理由として、「社風が合っているかどうか」、また「自分のやりたい仕事ができるのかどうか」ということを非常に気にしているような結果が出ています。
この結果を踏まえて髙梨さんはどうお感じになられましたか?
- 髙梨
- 企業も学生もコロナ禍でのインターンということで、非常にご苦労されながらも工夫された跡が見える結果だと捉えています。ただ一方で、リモートで気軽に参加できる分、不参加や辞退なども簡単にできやすいのかなという懸念があります。また、学生1人がインターンに参加した社数を見ると、「10社以上」が35%いる一方で、5社以下がほぼ半分の51%。要は半分の学生さんは5社以下と、割と絞って参加しているという結果ではと思われるので、企業さんはまずはこの5社の中に入る、ということがすごく大事ではと思いました。
- 佐伯
- ありがとうございます。
- 髙梨
- 意外だったのが、入社予定先企業を決めた理由に「社風が合っている」と「自分のやりたい仕事ができる」、この2つがすごく突出していますよね。僕なんか逆に他はいいのかなってちょっと心配しちゃうようなところもあるのですが、逆にこの2つを的に、焦点を絞るっていうのは、一つのやり方としてありだろうという、非常にいいデータだなと思って受け止めました。
- 佐伯
- 社風、やりたい仕事ができるかなど決め手となる部分ですが、実際の学生はどういうふうに決めていったのかというところについて、22卒の学生2名ゲストをお招きしております。ぜひ生の声を聞いてみたいと思います。
- 高梨
- すごく参考になりそうですね。
絶対条件がある就活とやりたいことを見つける就活 それぞれの決め手は
- 佐伯
- 学生AさんとBさん、Zoomのカメラをオンにしてご参加をお願いいたします。
- 学生A
- よろしくお願いいたします。
- 学生B
- よろしくお願いいたします。
- 佐伯
-
まず私のほうから、AさんとBさんがどういった就職活動をされてきたのかというところについて、お話しさせていただきます。AさんとBさん、どちらも文系の学生でいらっしゃいます。Aさんはコンサルにご入社予定、Bさんは銀行にご入社予定です。インターンの参加社数ですが、Aさんは夏に14社、Bさんは夏に10社ご参加されておりまして、夏秋冬全体を通してAさんは21社、Bさんは18社に参加しておられます。参加時期はAさんが「3年生の6月から2月」、Bさんは「3年生の8月から2月」と、かなり広い範囲で参加をされていらっしゃいます。一方、本エントリーの社数については、Aさんが11社、Bさんが10社というところで、かなり絞ってエントリーをされている印象を受けました。
では、いろいろお二人にお伺いをしていければと思います。前提として、お二方とも企業を選ぶ軸としてキャリアの選択肢の広さや、ご自身の成長ができるのかどうかなどお考えだったかと思うのですが、Aさんはご入社予定のコンサル企業に決めた理由を教えていただけますでしょうか。
- 学生A
- 私自身、正直やりたいことがまだ明確に決まっているわけではないので、入社後見つけるため、またその見つかった際に、自分の可能性みたいなところを狭めないように、キャリアの選択肢の広さを重視して選びました。
- 佐伯
- ありがとうございます。Bさんはいかがですか?
- 学生B
- 私は希望条件で、勤務地が東京勤務、業界は金融業界、総合職というところで、絞っていきました。
- 佐伯
-
まずは東京勤務などの絶対条件になるところは外さずに絞っていったということですね。
Aさんは、事前にお伺いしたお話で、「内定後に質問の機会が複数回あったことで、企業理解がより深まった」と。
しっかりと質問できる機会を設けてもらうようなフォローがあったことが良かったという感想ですか?
- 学生A
- そうですね。具体的には、内定後にリクルーターの方1名が付いてくださったりだとか、学生と社員の方の少人数での座談会が設けられていたりとか。やはり内定前だと評価されていることを意識してしまって、座談会などでも本音でお伺いすることができなかったのですが、内定後にそのような実態を知る機会があり、比較検討できる時間があったことがよかったです。
- 佐伯
- 質問できる機会は、何回ぐらい設けていただいていたのですか?
- 学生A
- 座談会は6回ぐらいありました。また「いつでも話を聞きたかったら聞いてくださいね」みたいなメールが個別に来ていて。不安なことが多い学生からすると、メールでの質問はすごく聞きやすかったです。
- 佐伯
- Bさんにお伺いします。先ほど絶対条件の話があって、いくつかそこに合致する企業はあったと思いますが、その中で今の入社予定先に決めた理由をもう少し詳しくお伺いできますでしょうか。
- 学生B
- 私は、やりたいことが自分の中で決まっていたので、数社に絞りました。その中でもファーストキャリアとして、業界の中で行きたいポジション、あとは社風・人などで選びました。
- 佐伯
- 具体的にどういった経緯があったのでしょうか。
- 学生B
- 選考の始まる前に社員の方と1対1でお話しする機会を何度か設けていただいて、それも、大学が同じだったり、自分と似たような考えを持っていたりするような方を、それぞれ設定していただいたので、とてもいい機会でした。
- 佐伯
- 何回ぐらいあったのでしょうか。
- 学生B
- 座談会などを含めると、5~10回ぐらいはあったかなと思います。
- 佐伯
- ありがとうございます。髙梨さんから学生さんたちに質問をお願いできますか。
- 髙梨
- Aさんが内定後の座談会などに参加して「実態を知れた」とお話いただいた件が興味深かったのですが、具体的にはどんな内容だったのでしょうか。
- 学生A
- たとえば部署の希望の通りやすさであったり、給与面であったり。また、残業がどのぐらいあるのかといったようなところをお伺いできました。
- 髙梨
- 興味があるけど、なかなかこうちょっと聞きづらいっていう感じの内容ですか?
- 学生A
- そうですね。内定が出るまでは、やはり評価の面が気になってしまって。
- 髙梨
-
内定が出て、ようやくフラットに話せるようになったという感じなのですね。
続いてBさんにですが、自分のやりたいことや働く条件などがかっちりと決まっていらしたようですが、いつぐらいから決めたのですか?
もう元々、大学に入る前から?
- 学生B
- いいえ。就職活動を始めた時点では、本当に何の業界があるのかもまったくわかっていないような状況でした。その中で、まずはどんな業界があって、自分は何に興味があって、っていう自己分析を、コロナ禍だったこともあり、3年の4月からじっくりやっていったことで、具体化されたかなと思います。
- 髙梨
- コロナ禍では情報の取り方も限られていたと思うのですが、主にどんなところから情報収集されたのですか?
- 学生B
- 一番最初は、就職活動に関する書籍をたくさん読み、何をするのかどう動くのかなどを理解したうえで、インターネットで企業や業界について調べました。他に大きかったなと思うのは、すでに社会人になったサークルの先輩に、「Zoomでお話聞かせていただきたいです」とお声がけさせていただいて、そこで生の声を聞けたというのは、すごく活きたかなと思っています。
- 佐伯
- お二方とも夏のインターンシップは10社以上参加されていたとのことですが、さまざまな企業様からインターン後のフォローやイベントのお誘いなどがあったのではないでしょうか。その中で、印象に残っている効果的なフォロー施策は何かありますか?
- 学生B
- 私は、入社20年以上の非常に年次の高い社員の方と学生複数名で、Zoom座談会の機会を設けていただいたことが一番印象に残っています。
- 佐伯
- 話した内容とかも覚えていますか?
- 学生B
- 若手の頃から今に至るまでどういうふうにキャリアを進めてこられたのかなど、何十年も働かれている方からすごく細かく教えていただいたので、自分のキャリアプランというのが明確にイメージできた機会だったかなと思います。
- 学生A
- 私は、ある企業でリクルーターの方が1人付いてくださって、自己分析からESの内容など私自身の就活全体をサポートしていただいたことはすごく印象に残っています。
- 佐伯
- リクルーターの方とはどのぐらいの頻度で交流がありましたか?
- 学生A
- そのインターンシップに参加したのが冬だったのですが、そこから2ヵ月ぐらい、内定が出るまで1~2週間に1回ぐらいお話する機会があったり、電話がきたりという感じでした。
インターン参加後に来る大量の企業メールを開くのは【早期選考】がキー
- 佐伯
- ありがとうございます。他に「早期選考に案内」とか、「一次面接免除」みたいな優遇はありましたか?
- 学生A
- そうですね、結構ありました。
- 学生B
- 私もインターン参加企業からは、ほとんどいただいていたような気がします。
- 髙梨
- 別の方向からの質問ですが、インターンに参加すると、企業からたくさん連絡が来ますよね。電話もメールも含めて。口の悪い言い方をすると、スパムメールみたいだというような方もいて。それらの中で第一志望の企業では無いけれど、ちょっと興味があって(メールを)開いてみようかなとか、(イベント等に)参加してみようかなと思えたものがもしあったとするならば、どんなものでしたか。ちょっと心が動いたというものがあったら、通信手段も含めて教えていただきたいのですが。
- 学生B
- メールか電話かっていうところでいうと、どちらかというとメールで【早期選考のご案内】のような隅み付き括弧が表題に記載されているものは、基本的に全部開封していたかと。自分が志望していない業界も、本選考の【早期選考】に関したメールはすべて開封していました。
- 髙梨
- 志望していない企業でも【早期選考】に興味を持ったのは何故ですかね?
- 学生B
- 冒頭にもお伝えしたとおり、就職活動自体が結構不安だったっていうのもあります。時期として、年末〜1月・2月頃に、そういったご案内をいただけることで、不安感を払拭したいなぁという気持ちもあったかなと思います。自分が志望した金融業界がそんなにスピードが速い選考フローだと思っていなかったので。
- 学生A
- 私もBさんと同じように【早期選考】といったようなものがあるメールは必ず見ておりました。ただ私自身は基本的にすべてのメールをチェックして、案内されたイベントには、もうできるだけすべて参加するようにはしていました。
- 髙梨
- なるほど。Aさんはそういうスタンスで就職活動されていたのですね。それは何故ですか?
- 学生A
- 私自身やりたいことが見つかっていなかったっていうこともあり、できるだけいろんな業界のことを知った上で、最終的な決断をしたいという思いがあったので、得られる情報はすべて仕入れていきたいといったような思いでした。
- 髙梨
- 元々スタンスを広く取ろうとされていたので、食わず嫌いせずに全部チャレンジされたのですね。
- 佐伯
- インターンシップ先を探していくとき、たぶんたくさんの情報を見たと思うのですが、どういったツールとかサイトを使って探して、どう絞っていったのか、教えていただけますか?
- 学生B
- 私の場合は就活を始めたときに、就活の基礎的な本を購入して、業界をそれぞれ浅く広く見ました。その中で、本当に興味がない業界、少し興味がある業界、とても興味がある業界というふうに〇×△に分けて、〇と△のところに関しては、上位3社ずつぐらい、インターンシップのESとWebテストを出していくように努力しました。
- 学生A
- 私もBさんと同じように、ちょっと気になる業界の上位3つや4つぐらいをピックアップしました。また、オープンチャットやTwitter、ナビサイトのコミュニティなどで話題に上がっている企業を調べて、インターンに応募したりもしました。
- 髙梨
- オープンチャットやTwitterなども見て、最初は広く情報を取ろうとされていたのですね。もっと最初からカチッと決まっていたのかなと思っていましたが。結果、広く見ていたけれど、絞る時間はすごく早かったということで、就職活動としてとても良い形かなとと思いました。
- 戸田
- ご視聴の企業様から学生さんに「内定後にこんなフォローや対応があると気持ちが離れない等ありますか?」と質問が来ています。
- 学生A
- やはり社員の方から実際お話を聞ける機会があるというのは、すごく魅力的だなと思いますし、また、内定者同士で繋がれる場みたいなところがあると、同期がどんな人なのかということを知ることができるので、入社するモチベーションにつながるかなと思います。
- 学生B
- 私も、懇親会など、内定者同士の横の繋がりが持てる場があると、今のようなオンライン下なのでよけいに親近感が持てていいかなぁと思いました。
- 佐伯
- そういった交流の場は、基本的にはZoomですか。それとも、たとえば内定者SNSみたいなところで繋がる場合が多いのですか。
- 学生A
- 私は、SNSとかではなくて、Zoomでそのような場が設けられていました。
- 学生B
- 私もSNSではないのですが、内定者専用のクローズサイトのようなものは作っていただいておりました。
- 髙梨
- 最後にお二人に聞きたいのですが、【学生が入社予定先企業を決めた理由のトップ】が、「社風が合っている」と「自分のやりたい仕事ができる」という結果が出ているようですが、社風が合っていると感じた、腹落ちしたっていうのですかね、それは何を持って確信できましたか?
- 学生A
- オンラインだったこともありちょっと難しくはあったのですが、たとえばインターンに参加されている社員の方の取り組み方です。ちょっとおこがましいのですけどれも、ある企業ではインターン中の社員の方の態度がすごく事務的な印象を受けることもありました。逆に、インターンシップ中、すごく学生を見てくれているなと感じられるような社員の方が出ていらっしゃると、他の社員の方々も意欲的に働かれているのかなといった想像をすることができるので、そういうところで自分に合うかどうかを見ていました。
- 髙梨
- なるほど。さっきAさんが言っていた、「実態」に近いようなお話なのかもしれないですね。
- 学生B
- 私に関しては、SPIの性格診断などにあるような「自分から挑戦をしていくタイプ」なのか「保守的なタイプ」なのか、自分がどっちに傾いているかというところを理解しつつ、社員の方とリクルーター面談などでお話しさせていただきました。例えば、歴史がある企業で「変革に時間がかかり、スピード感が遅い」とか、一方で、「新しいことにチャレンジしていくような社員が多く、そういう人が成長できる」とか、そういう意見を複数人に言っていただいた上で、「私はこの企業で活躍できるタイプかな?」とか。「コツコツ真面目にやる社員が多い」っていうふうに言われると、「自分とこの企業ってどういうふうに合っていくんだろう?」のような整合性を探ったり。色々な社員の方の話を聞きながら、自己分析した結果と自分の性格、それと社員の方との共通点と齟齬があるのかないのかを見極めていったかたちになります。
- 髙梨
- ご自身の適性検査の結果を持って、それに合う企業を探し求めていったのですか?
- 学生B
- いえ、適性検査の結果というよりは、自分自身で自己分析した結果として、見ていました。
- 髙梨
- ありがとうございます。
- 佐伯
- たくさん質問も届いていて、名残惜しいところではありますが、お時間がきてしまいましたので、AさんBさんはここで終了とさせていただければと思います。いろいろご質問にお答えいただいてありがとうございました。
インターンフォロー後の施策は、いかに学生に参加メリットを伝えるか
- 佐伯
- ここからは第二部として、今回のテーマ「企業理解と志望度情勢というところを実現するために、今後どういうフォローをしていったらいいのか」ということについて進めてまいります。ここまでの中で、どういうフォローが効果的かとお考えですか?
- 髙梨
- 先程のお二人はインターン参加後に来たメールで、【早期選考】と書かれているものは全て開いたと共通して仰っていましたね。やはり通常の選考フローとは違うということ、どれだけ特別な扱いをしてもらえるのかということがすごく大切ですね。「これに乗らない手はない」と学生に思ってもらえるかどうか。そこがすごく大事なのではと思いました。また、リクルーターの方を付けることももちろんそうですし、一人一人に合わせたきめ細かい施策がこれから必要になってきていると実感しました。
- 佐伯
- 今後イベントを開催していく際には「参加するとこういうことがわかるよ」と企業から提示してあげたほうが、学生は参加しやすいのですかね。
- 髙梨
- そうですね。ただ漠然と参加するというよりは、自分が何を得られるのか、どのようなメリットがあるのかというのが明確になっていることが大事なのかと。たとえば「今回のイベントに出るとこういった能力が身に付きますよ」とか、「こういう経験ができますよ」とか、すごくわかりやすく情報提示してあげることがとても大事だと思います。たとえば「入社1年目社員が、コロナ禍でどのように仕事をしたのか伝えます!」というような。さっきのAさんの言葉を借りると「実態」を伝えてあげる場を作ることで、自分が入社したときに、どんな姿で働いていけるのか、よりリアルにイメージができる。そんな施策が必要なのではと思いました。
- 佐伯
- Bさんのお話でもインターンの中で、「リアリティがあるものがよかった」みたいなお話もありましたね。
- 髙梨
- そうですね。それからAさんは内定が出る前は給与や職場の実態などは聞きづらかったなんていう話もありましたが、こういう学生が聞きづらいけど知りたいだろうなという情報を、企業側から開示できるような関係性が作れるといいですね。部活の先輩には色々と聞きやすいという話も出たかと思いますが、近い立場の方が付いてあげることができたらいいのかなと、お話を聞いていて思いましたね。
- 佐伯
- 学生の就活状態に寄り添って、企業のイベントを組んでいく必要があるのではとも思いますが、いかがですか?
- 髙梨
- そうですね、例えば大学3年の4月から就活をスタートした学生と、インターン明けの秋からスタートした学生、翌3月からスタートした学生では、もう全然理解度が違うわけで。年明けて1月ぐらいにごくごく普通の会社説明会を、早くから始めた学生やインターンに出た学生に見せたところで、もう物足りなくてしょうがないわけですよね。その学生がいつ自社にエントリーしてきたかはデータベースを見ればわかるので、「この学生はこの時期にエントリーしてきたからこのイベントを案内しよう」だとか、「この学生は先月エントリーしてきたばかりだから、半年前にエントリーした学生向けのものとはちょっと差を付けよう」とか、そういったデータの使い方もできるのではと。また、ある程度選考が進んでいった頃に、そのデータを使って見比べると、全く自社イベントに出たことがないけど選考に応募してきている学生がいると、まぁ間違いなく第一志望ではない学生だなと見分けられるわけですよね。
- 佐伯
-
自社のイベントに何回参加しているかをデータに残して活用する方法があるということですね。
インターン後のフォロー施策については、学生に向けてどのようなメリットが得られるのか、何を学べるのか、またそれをどのタイミングの学生に向けて行うのか。それらを企業側がきちんと整理して、学生に寄り添ったフォローをわかりやすく出してあげることが必要になってくるのですね。
- 髙梨
- そうですね。
- 佐伯
- ありがとうございます。それでは、最後に髙梨様から、皆様へメッセージをお願いできればと思うのですが。よろしくお願いいたします。
- 髙梨
- ご視聴ありがとうございました。今日「早期選考」というキーワードが出ましたが、僕が人事をやっていた頃も「いかに早く始め、早く終わらせるか」を念頭にやっておりました。早く始めるためには、当たり前なのですが前年が早く、きちっと終わっていないと次の年に移れないことが明らかです。僕が最初に目標にしたのは、2年先です。今で言うと「24年卒をどう回すか」という「目標」をきっちり作るために、「23卒をいつ終わらせるか」というのをゴールに進めていったように記憶をしております。早期選考を始めるには最初の1年が本当に大変ではあるのですが、1回回ってしまえば何とか回すことは可能だと思いますので、各企業の人事様も、兼務であったり人員削減もあったり、いろいろ大変なところもひょっとしたらあるかもしれませんが、ぜひ、早期選考をやりたいということであれば、ぜひ踏ん張っていただきたいなと思っております。
- 佐伯
- ありがとうございました。
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1999年、株式会社朝日新聞社入社。13年間の営業企画職を経て、2012年に人事部採用チームへ異動。新卒・社会人・障がい者の採用に携わる。全国各地の大学内でのセミナーや、採用支援会社が主催する合同企業説明会にて、これまで多数の学生に接する。2018年に同社を退社したあとは、採用業務の経験を活かして、就職活動や採用業務の支援を行っている。